風流な旅:「旅行鞄にはなびら」を読んで

「旅行鞄にはなびら」 伊集院静著 ㈱文芸春秋 2005年刊
友人がこの著者の小説を薦めていた。とりあえず図書館で見つけたエッセイを読んでみようと。
内容的には、ヨーロッパ(特にフランスとスペイン、一部イタリア)内を、西洋絵画の現場を訪ねた旅行記。著者が文筆業に進んだのは、「立教大学ではなく美術大学に進学するつもりでいたが、当時義兄が巨人の野球選手だった影響で高校の夏休みを利用して東京に行ったおり、長嶋茂雄本人から「野球をするのなら立教に行きなさい」と言われた。その長嶋の一言で立教大学に進学を決めた。」と、ネットに書かれていた。絵画に対しての深い造詣や興味を持っているはず。著者は、作家、作詞家、CMディレクター等多彩な才能の持ち主で、この著作も奥の深さを感じる。
語録から
●「わからないことは、わからないままにしておくのも大切だ。すべてがわかっては、私たちの生はつまらないものになる」
●「50歳を過ぎたあたりから、急いで旅をしないようにこころがけはじめた」
●「旅の思い出は、その人の胸の中にとどめておくのがよい。これが私の旅の記憶のやり方である」
●「私たちが旅に焦がれるのも、もしかして解けない記憶や感情と再会したいという願いが、こころの奥底にあるかもしれない」
成る程と思う部分もあるが、贅沢なことだとも思う。著者は兎に角、”がつがつ”した旅でなく風流な旅を好むようだ。
人生も残り少ない自分にとっては、やり残した色んなこと、行ったことのない色んなところと、焦る気持ちから”がつがつ”した道になりそうだし、ここ数年はそうなっている。どうしたものか。


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